2012年4月9日月曜日

子供元気科バックナンバー


第32号

『麻疹』(はしか)の話

 一歳を超えたお子さんの麻疹の予防接種はもう済みましたか。麻疹は日本全国で年間10万人以上の患者さんがおり、死亡例は90例にものぼります。その他、脳炎、肺炎を起こす事もあり、こどもの病気の中では重い病気です。患者さんの鼻汁や痰から飛まつ感染によって感染します。非常に感染力が強く、予防接種をしていない人のほとんどが、かかってしまいます。10日ほどの潜伏期間があり、熱、鼻汁、咳が出て、結膜炎が起こります。4日目頃少し熱が下がリますが、すぐに高熱が出現しそれと同時に顔、首、体幹、手足へと発疹が広がります。5日ほどして発疹が茶色くなり、熱が下がっていき快方に向かいます。食事が取れず、脱水症状がひどくなったり、咳が激しく肺炎を起こす事もあり、入院が必要になる事 もしばしばです。

  ウィルスをやっつける薬はなく、かからないためには、予防接種をするほかありません。麻疹にかかる人の95%は予防接種をしていない人なのです。日本の予防接種の接種率は約80%程度で、成人でも、接種をしていなかったり、かかった事がない人で、年に数千人の患者さんが出ています。ほとんど全ての人が予防接種をうけているアメリカでは、患者は年数十人程度です。しかも麻疹の潜伏期間中に日本を離れた日本人海外旅行者が現地で発症し、現地で麻疹を流行させた事例もあり、日本は麻疹の輸出国であるという不名誉な指摘もあります。

 お子さんが一歳を過ぎたら、まず麻疹の予防接種をうけましょう。お子さんのため、日本のために。麻疹撲滅の日まで。

 

母乳について

母乳とミルクは違う?

 育児用ミルクは、牛乳を材料として作られたもので、赤ちゃんの未熟な消化器や腎臓に負担をかけないようにしたり、成長・発達の程度も母乳に近づけるように、現在の科学でできる限りの成分調整がされています。

 ただひとつ違うとすると、母乳にはお母さんからの免疫が含まれていること。この免疫は赤ちゃんの腸管を守り、下痢を起こす細菌やウィルスの侵入や増殖をくい止めると言われています。特に、初乳から生後一ヶ月までに多く含まれます。

母乳不足のサイン

 たいていの場合、片方5分ずつ、10分で 1回量の8割近くを飲んでしまいます。

 あとの5分ぐらいは、味わっている時間です。

次のような場合は母乳不足を考えましょう。

@ 30分以上、おっぱいから離れない。

A 3時間以内でよく泣く。

B体重の増えが悪い。

Cおっぱいを吸う力が弱い。

ミルクの足し方

@ 授乳時に毎回ミルクを足す。

     →比較的母乳不足が軽い場合

 毎回母乳を吸わせた後にミルクを足す。

 毎回おっぱいを吸う刺激で、おっぱいは長く続けられるでしょう。

A 母乳とミルクを交互の与える。

     →母乳がかなり不足している場合

  母乳は比較的早く、出なくなってしまうようです。

B 仕事中はミルクを、それ以外は母乳。

  冷凍母乳の方法がとれれば、母乳栄養は続けられますが負担は結構大きいでしょう。

母乳の保存について

 母乳は無菌状態ではありません。ですから、しぼった母乳には、必ずと言っていいほど、細菌が入っています。室温ではますます細菌が増えます。冷蔵・冷凍保存が絶対ですが、 冷蔵庫でも安心できるのは6時間程度、それでも冷蔵庫の開け閉めが多いと、庫内の温度が上がるので注意が必要です。

  冷凍の場合、マイナス20℃以下で保存できれば成分に変化がないのですが、長期にわたる場合には、やはり温度管理が難しいでしょう。

 解凍も、電子レンジは禁物です。母乳中の免疫やビタミン類が壊れてしまいます。 水か、急ぐ時は人肌程度のぬるま湯で解凍しましょう。

お餅を食べるとおっぱいがたくさん出る?

 昔、思うように栄養がとれなかった頃、お餅はすぐにエネルギーになり重宝がられました。また、同じ量のご飯に比べて1.4倍もエネルギー量が多いことから、そのように言われています。しかし現在の食生活では、そのような心配はなく、バランスの良い食事やおやつを、おなかのすき具合にあわせてとり、お茶などで水分も摂取する事が大切です。そして、授乳後は残ったおっぱいをしぼってカラにし、家事や育児の疲れをためないよう過ごす事がおっぱいを出す秘訣かも。


第33号 

『小児の反復性の頭痛』

 こどもの病気には、発疹を伴う病気が多くあります。発熱や、咳、鼻水と同じように、病気のサインである事も多くあります。
では、病気と発疹との間にはどんな関係があるのでしょうか。発疹には大きく4つあります。
 第一は、発熱などその病気の症状である場合。第二には、病気が治る頃に出現する場合。第三には、汗疹、蕁麻疹など直接病気と関係無く出てくる場合。第四は、薬などの副作用や、アレルギー反応で出てくる場合です。第一の場合の代表は、麻疹、風疹、水痘、溶連菌感染症、川崎病、手足口病です。いずれにしても早く医者に見せた方が良い病気です。第二の場合は、突発性発疹、伝染性紅斑(りんご病)、エンテロウィルス感染症な� ��で、発疹に気が付いたときは、ほとんど治っていて、心配ない状態です。第三は、病気などで、入浴ができなかったり、汗をかいたりするために起こる皮膚のトラブルです。また、体調が悪く、普段食べても大丈夫なのにたまたま食べた時に蕁麻疹ができてしまうこともしばしばあります。かゆみを伴なう事が多く、塗り薬を使うか、スキンケアだけで治ります。そして第四の場合は、病気の治療に使った薬などの副作用や、アレルギー反応で、起こる場合です。人により体質が違うため、出たり出なかったりします。
 発疹の診断はとても難しい場合があります。逆に発疹から病気の診断ができることがあります。気が付いたときには、早めに受診しましょう。特に熱と同時に出現する発疹は病気との関係が強く疑われます。早 めに医者にかかりましょう。

こどもと食事
 離乳食が始まると、楽しいはずの食事中に、ついイライラしてしまいます。でも、悩みはみんな同じようです。悩みの1位、2位の項目は2歳児に多く、3位、4位、5位は3歳児に多いようです。

子供(1〜4歳)を持つママの食事の悩み

1位

遊び食い

43.4%

2位

むら食い

29.2%

3位

偏食

24.9%

4位

食べるのに時間がかかる

20.6%

5位

小食

17.9%

遊び食い…食べ物にさわったり、こねまわしたり、スプーンなどで他の食器に移したり、これらは、子どもなりに食事の自立のための練習だと言われています。
むら食い…
2〜3歳の子どもは、他に興味のあることや、やりたいことがあると、食事に目をむけないことがしばしばです。ただし、おなかがすけば、必ず食べるので無理じいしないことです。

食べることが好きになるために

☆早寝、早起き

  正しい食のリズムをつけましょう。
  朝寝坊をして、朝食の時間が遅くなると、一日の食事のリズムが徐々にずれていき、決まった時間におなかがすかなくなります。

☆遊ぶ時間、食べる時間の区別をつけよう

  家の中で静かに遊んでいると、つい食べる事(お菓子)に向いがちです。ママも要求に負けてしまいがちではありませんか?
☆ジュースや牛乳はほどほどに

  水分補給は、水(白湯)、お茶、麦茶などが良いでしょう。ジュースや牛乳は、時間や量を決めて飲ませましょう。
  「牛乳を飲んでいるから大丈夫」ではありません。牛乳だけでは、栄養が偏り、大きくなれません。

☆みんなで楽しい食卓を

  誰かが食べているのを見ていると、自分も食べたくなるものです。いつも食べないものでもみんなと一緒だと食べられるかも
   しれません。「離乳食だから、」とお膳を別にせず、一緒に食卓に並べてみては?


第35号

『とびひ』の話

 とびひは、夏、乳幼児に多く見られる皮膚の病気で、伝染性膿痂疹と言います。虫刺され、アトピー性皮膚炎に伴う引っかき傷や擦り傷などに、黄色ブドウ球菌溶連菌が感染して起こります。最初、傷の部分の皮膚にかゆみを伴う水ぶくれができ、掻き壊して水ぶくれが破れるとびらんとなります。水ぶくれの中の細菌が飛び散ったり、引っかいた指について、その手で別のところを掻いたりして、いろんなところに飛び火していきます。
 抗生物質の内服と外用が必要です。とびひかなと思ったら、皮膚科や小児科に早めに受診しましょう。湿疹がひどい場合は、治るまで保育園、幼� �園、学校はお休みしなければなりません。プールや大勢で入るお風呂(クアハウスや温泉など)も控えましょう。お家では、次のようなことに注意しましょう。

   ・ 石鹸をよく泡立てて手を洗い、シャワーやかけ湯で石鹸をよく落とします。湯ぶねにはつからない方が良いでしょう。
     また、他の子供と一緒に入らない方が良いでしょう。タオルは他の人と別々のものを使いましょう。

   ・薬を塗ったらジクジクしているところは、清潔なガーゼなどでおおい、他の部分にうつらないようにします。

   ・衣類は膿などでよごれたら、すぐにきれいなものに着替えましょう。洗濯は他の人と一緒でかまいません。

 普段から、毎日お風呂に入り石鹸を使ってよく洗い、湿疹、虫刺され、り傷などは早めに治療しておくことも予防の一つです。原因となる細菌は、鼻に住みついています。鼻いじりにも注意しましょう。


発熱と冷却剤

いわゆる冷えピタ・アイスノンシートなど
氷枕や濡れタオルよりずっと手軽に使えて便利ですよね。小児科の外来にも冷却剤を貼ったお子さんが多く見られます。私たちも病児保育室や点滴中で熱の高いお子さんには、必要に応じて使っています。熱を吸収する、とはありますが熱がどうして出るのか考えると、冷却剤で熱は下がりません。熱による不快な気持ちをとってあげて、「冷たくて気持ちイイよ」という気持ちで貼ってあげると良いと思います。ですから、貼るのをいやがる子に無理に使う必要もありません。

上手に利用するためには
冷却剤はタイミング良く使うと、効果的です。


どのように私はコンドームを選んでください

*保温
 熱が上がってくる悪寒の時には、掛け物をして保温してあげましょう。
 この時、いつもより体温が高くても、冷却剤はまだ使いません。

*衣類調節と水分補給
 熱が上がりきってしまったら(目安としては手・足が熱い)、熱を逃がすために薄着にし、水分を十分摂らせてあげましょう。
 冷却剤を使ってもいいです。ただし、汗が多いとはがれやすいでしょう。

*解熱剤
 38.5度を超えて、体力を激しく消耗してしまったり、食事や水分が摂れなかったりする場合には、熱を下げてあげましょう。
 冷却剤を使ってもいいです。


第36号

『かぜをひきやすい?』

 かぜが治ったと思ったら、またお熱が出た。熱が下がっても咳や鼻が止まらず、しょっちゅう医者にかかっている。こんな子供はたくさんいます。どこかおかしいのでは? 免疫が弱いのでは? 種物。栄養が悪いのでは? こう思っていらっしゃる お母さんも多いと思います。でもほとんどの場合は心配いりません。
 かぜ えお起こすウィルスは230種類以上あります。しかも、インフルエンザのように毎年少しずつ形を変えて、毎年のよにかかるウィルスもいます。乳幼児は、1年間に平均7会程度のかぜをひくといわれています。まして、最近のように小さい頃から保育所に入ったり、幼稚園に行ったり、幼児教室など同じ年齢の子供達が集まる機会が多くなればなるほお、かぜのウィルスも流行しやすくなります。毎週のように熱を出したり、咳や鼻が止まらなかったりすることは仕方が無いことかもしれません。みんなそうやって大きくなり、免疫も強くなって、感染症にも強くなっていくものです。しかし、次のような子はちょっと注意が必要です。早めに小児科に相談しましょう。

  ●6ヶ月未満の乳児の発熱。 この時期はお母さ� ��から抗体をもらっているので、かぜをひいても軽いのが特徴です。

  ●熱が7日以上続く。  かぜではない可能性があります。

  ●ぜいぜいする咳が続く、くしゃみが多い。  アレルギーによるものかもしれません。

寒い季節をのりきろう!

保温、加湿を上手に行い、寒い季節を乗り越えましょう。

ホットカーペットはつけたり消したり
小さい子供のいる家庭には、とても便利なホットカーペットですが、スイッチを入れたままカーペットの上で寝てしまったり、おすわりやハイハイなどでずっと同じ部分が触れていると、低温やけどをおこしたり、体温がいつもりよ高くなっていたりします。
カーペットの上に布団がしいてあっても、お昼寝の時などは、スイッチを切って、掛け物で調節してあげましょう。

濡れタオルを1枚用意
冬の乾燥のために加湿器をご用意されるお家も多いかと思いますが、濡れたタオルや洗濯物などを室内にかけておくだけでも、かなり乾燥は防げます。

大人より少なめに
冬の閉めきった室内では、子どもは大人より一枚少なめ、あるいは薄手の衣類で十分で す。
*病中・病後については、多少違ってきます。
フリース生地た足つきタイツなどは汗の逃げ場が少なくなります。外出の時以外、室内では脱ぎましょう。
時々背中に手を入れて、汗をかいていないかみてあげましょう。

かぜの予防には絶対おすすめ

かぜのウィルスは上記のとおり何百種類。
身のまわりにたくさんいます。その多くは、手から口へ入ります。手を口に持っていくことの多い乳幼児では、1日5回は手を洗ってあげましょう。できれば、石鹸を使って流水で。ウィルスは石鹸が嫌いです。



第37号

『かぜぐすり』の話

 風邪をひいたら皆さんはどうされますか。
薬局で、風邪薬を買いますか。それとも医者にかかりますか。市販の風邪薬と医者の処方する薬とはどう違うのでしょうか。
市販薬は、症状を軽くして、楽にするための薬です。
一方、医者が風邪の時に処方する薬には、大きく三つの目的があります。一つ目は病気を治すためのものです。抗生物質や抗インフルエンザ薬がそれにあたります。二つ目は症状を軽くしたり、治りやすくするための薬です。解熱剤、咳止めや去痰剤です。
そして三つ目は病気を悪くしないようにするための薬です。患者さんの症状を聞き(問診)、診て(診察)そして病気の原因を考え、患� ��さんの状態を診断します。同じ風邪の症状でも、また同じ患者さんでも、鼻水の色、量、性状、咳の性状、出る時間帯などによっても使う薬はまちまちです。場合によっては量も微妙に変えることもあります。さじ加減ですね。
 こどもの風邪の8割はウィルスによる上気道炎(いわゆる風邪)です。大半は、放置しても自然に治ってしまうものでしょう。もともと抗生物質はウィルスには効きません。しかし、鼻水をうまくかめずに、青っ鼻がつまるようになったり、汚い痰が出るような咳になったりした場合に、中耳炎や気管支炎を併発して風邪がこじれることがあります。こんな時、抗生物質をしばらく飲んでいただくことがあります。
  医者ができることの一つは、人間の持つ、自然に治る力を最大限に発揮できるように、手助けすることです。
 さて皆さんはかぜをひいたらどうされますか。


離乳食・幼児食
*刺身はいつ頃から食べられるのでしょうか。
 生のさかなの消化吸収率はほぼ100%で優れた食品ですが、鮮度には十分注意しましょう。
  
離乳完了期の頃から、白身魚の刺身は食べられますが、極新鮮なものを選びましょう。
  2歳を過ぎれば、まぐろ、かつお、はまちなどの赤身魚の刺身も食べられるでしょう。

*魚介缶詰の使い方
油の中には、脂溶性のビタミンやDHAなどがたくさん含まれていて、貴重な食品です。
離乳中期から・・・サケ缶詰の水煮、カニ缶詰
離乳完了期から・・・イワシの油漬缶詰、サバの味噌煮缶詰など
          (味噌煮� ��ど味の濃いものは3〜4倍に薄めます。)
(注)
1.缶や缶切りの衛生に注意しましょう。
 缶フタなどに熱湯をかけてから、開けましょう。
2.缶を開けたら、清潔な容器に移し替えて、冷蔵庫に保管し、2日以内に使い切りましょう。

【缶詰の旬のお話】
水煮缶は、製造直後から4ヶ月頃。味付け缶詰は、製造直後から1〜6ヶ月頃が一番、おいしく食べられる頃とされています。
これは、缶詰を作る際の高温短時間殺菌の性質により、水溶性ビタミンが熱に強くないことと関係がるようです。
ただし、賞味期限内に食べることについては何も問題ありません。

ぼく、お薬上手に飲めたよ!
「うちの子はお薬がきらいで、飲ませるのが大変です。こちらでも、飲� ��でくれないかもしれません。」と心配して出かけられるご両親が多い中、8割から9割のお子さんが、友だちといっしょに、ふつうのお水で、「あーん」と大きなお口を開けてくれます。
バンビーノでは、できるだけ普通の水で、(衛生上、湯冷ましかミネラルウォーターを使っています)飲んでもらっています。
溶いたり、練ったりする事もほとんどなく、小さい子もほとんどがスプーンで上手に飲めます。
ミルクに混ぜると、ミルク嫌いになってしまう恐れがあり、お薬によっては、ジュースやスポーツドリンク、アイスクリームなどで、逆に苦しくなる薬もあります。
※その他、薬についての詳細は、こども元気科No,22、23をご覧ください。

大切なのは、薬を飲ませるときの雰囲気ではないでしょうか。 「何が何でものませるぞ」と意気込めば意気込むほど飲んでくれないような気がします。何かに混ぜるより、飲めたらごほうびはいかがでしょうか?


第38号

『蕁麻疹(じんましん)』の話
皮膚に突然虫刺されの様な、痒みを持った皮疹ができ、しばらくすると自然に消えてしまいます。これが蕁麻疹です。時にはできては消え、消えてはまたできと、何日にもわたって繰り返すことがあります。原因としては、ある特定のものを食べると必ず出現する場合には、食物アレルギーが疑われます。この場合、嘔吐、下痢、アナフィラキシーを起こしたり、喘息や鼻炎などのアレルギー症状を合併することもあります。しかし、実際には、原因となっている食物を突き止めることはそうたやすいことではありません。アレルギーの検査(RAST法)で陽性だからといって、必ずしも原因であるとも断定できないのです。蕁麻疹の原因としては、アレルギーの他に、引っかいたり、こすったり、締め付けたりする機械的な刺激、温熱、日光、寒冷、発汗、運動、薬剤、感染症、精神的ストレス、疲労、膠原病などいろいろなものがあります。
治療は、抗ヒスタミン剤の内服や外用薬でほとんどは改善します。痒みが強い時には冷やすことも効果があります。温めると、痒みが増すため、入浴は注意が必要です。強くこすらず、ぬるめのシャワー程度にしたほうが無難です。原因がわからない場合には、数日間は、同じものを続けて食べないようにします。繰り返し蕁麻疹が出る場合には、食物日記をつけておくと原因を見つける手がかりになります。
24時間以上持続する場合や、紫斑や硬結、痛みをともなっていたり、発熱や関節痛などの全身症状をともなう場合には膠原病などが疑われま す。必ず医師に相談してください。

乳酸菌と善玉菌
年をとったり、ストレスや抗生物質の服用で腸内細菌のバランスがくずれると、腸の中の良くない菌(悪玉菌)が増え、おなかの調子が悪くなります。
↓乳酸菌をとると・・・
生きたまま腸に達するこのができる菌が腸の中の良い菌(善玉菌)を増やし、腸の中の環境を良くします。

《乳酸菌の効用》
☆ 下痢を予防し、便通を良くする。
☆ 鉄・カルシウムなどの吸収を良くする。
☆ 食中毒などの病原菌を入りにくくする。
☆ 悪玉菌が作る有毒物質を減らし、肝臓の負担を軽くする。
☆ 免疫力を高め、かぜなどへの抵抗力を増す。

《善玉菌を増やしましょう》
食物繊維の多い食品をとりましょう。
食物繊維は消化されずに、大腸に達し、善玉菌(特にビフィズス菌)のえさとなり、これを増やします。
オリゴ糖を利用しましょう。
オリゴ糖は、善玉菌の栄養となり、増やす手助けをします。オリゴ糖入りのお菓子や甘味料も時には良いでしょう。
※口からとった乳酸菌は腸にすみつきにくいので、毎日とるのが良いとされます。
※乳酸菌飲料には糖分の多いものもあるので、とりすぎに注意し、飲んだあとの歯磨きは忘れずに。


どの食べ物が食道を介して移動か

第39号

SARS(重症急性呼吸器症候群)
 最近、新聞や、テレビでこの言葉を見たり聞いたりしない日はありません。多数の患者さんと、死者を出したことは皆様も良くご存知のことでしょう。ひとりの患者さんが偶然乗り合わせたエレベーターや飛行機の中で、感染が広がり、患者さんが入院した病院で、医師や看護師にも感染者を多く出しました。幸いなことに、日本では患者さんが出ませんでした。流行も終息に向かっているようです。
 実は、この病気に対して、医療現場は大混乱しました。致死率も高く(7〜14%)、未だに根本的な治療方法がありません。人類のためには、いかに二次感染を防ぐかが重要となっています。そこで、千葉市では、次のような対策を考えました。流行地域 から10日以内に戻られた方で、38℃以上の発熱と咳がある方は、医療機関へ直接出向かずに、保健所か千葉市立青葉病院へ連絡して指示に従うというものです。もし直接医療機関へ受診した場合、マスク、ゴーグルを装着して、青葉病院へ受診していただくことになります。
 SARSのほかにも、エボラ出血熱デング熱西ナイル熱など致死率の高い、いわゆる新興感染症と呼ばれる病気が増えています。医学が進歩しても、治療方法がなく、いかに流行を抑えるか、日本へ持ち込まないようにするかが問題となっています。その多くは、野生の生物と共存していたウィルスがたまたま人間に感染したために起こっています。今回のSARSは、ハクビシンといわれる野生動物のもっていたウィルスだ ったようです。人類にとって感染症との戦いはまだまだ続きそうです。

寝冷え
夜は暑くても、明け方になると気温が下がるため、睡眠中の体温調節が乱れて起こります。
鼻水が出たり、おなかをこわしたりすることがありますがウイルスとは関係ありません。
予防のポイント
■ おなかの上に、タオルを1枚、のせてあげましょう。
■パジャマは汗を吸収しやすい綿かタオル地のもので、十分おなかが隠れるものが良いでしょう。肩か出ているものはからだが冷えてしまいます。
■ 腹巻は、腹巻の下だけ汗をかいたり、その後冷えたり、あせもの原因になったりするのでお勧めできません。

夏かぜ(こども元気科16号掲載)
冬のウイルスと違い(冬は乾燥が好き)、高い気温、高い湿度が大好きなウイルスによって起こります。
■便の中にもウイルスがいます!
おむつ替えの後の手にも注意しましょう。
手洗いはもちろんですが、爪も普段から、短くしておきましょう。
■回数を分けて食べましょう。
のどが痛かったり、口の中に、水疱ができたりして思うように食べられません。
熱いもの、塩辛いもの、硬いもの、すっぱいものは避けましょう。
食べられない時は無理をせず、水分補給に気をつけましょう。
※ 登園、登校には、いづれの場合も治癒証明書が必要です。



第40号

ペットと病気
ペットを飼っているお家も多いことと思います。かわいさあまってペットにキスなんてこともありますよね。
でも、ちょっと待ってください。ペットからうつる病気があることをご存知ですか。
人獣共通感染症と呼ばれる病気が増えていますパスツレラ症もその一つです。
イヌやネコの口の中に住んでいる菌によって起こります。イヌやネコに噛まれたり、口移しでえさを与えたりするとうつります。
噛まれた傷は化膿し、軽い風邪の症状や、肺炎を起こします。
ネコひっかき病と呼ばれ、ネコの引っかき傷から感染して、発熱、頭痛とリンパ節炎を起こす病気もあります。
オウムやインコなどの鳥からうつる、オウム病もありま� ��。インフルエンザに似た症状や、全身感染から死にいたることもあります。その他、イヌ回虫症(イヌ)、Q熱(ネコ、イヌ)、レプトスピラ症(イヌ、げっ歯類)、トキソプラズマ症(ネコ)、
ペスト(リス)、狂犬病(イヌ、野生動物)サルモネラ症(ニワトリ、カメ)などがあります。
頻度は少ないものの、海外から輸入される動物によってもたらされる病気もあります。
もちろん、ペットが全て、こういった病原体を持っているわけではありません。むしろまれな病気です。
ペットの健康にも気をつけ、次のような点に注意して、節度を持ってペットを飼いましょう。

1) 野生動物など未知の動物を飼わない。
2) 動物を不潔に飼わない。
3) 動物の生態に合った飼い方をする。
4) 排泄物の適切な処理を行う。
5) 動物の健康管理をしっかりする。

夏季熱ってなあに?
高い気温に影響されて、体温調節が間に合わず、体温が上がってしまうことを夏季熱といいます。
乳幼児に多く、水分の不足や厚着が原因でなることもあります。
【暑い日に子供の体温が高めだったら】
★ 涼しい日かげに入る。
★ 薄着にする。
★ 水分を十分にとる。

【予防接種の前にご注意ください】
予防接種の前には、接種する場所で体温を測ることが原則です。37.5℃以上あると法律上、注射を受けることができません。
「さっきまで外にいたから、からだが熱いだけです。」と言われても、夏季熱と病気の熱との区別がつきません。
注射の前、あるいは注射の予定がある日は、激しい運動や 、暑い中でのお散歩をすこし我慢して安静にして過ごしましょう。
また注射の後も、しばらくは病院の中で様子をみて、当日はできるだけお家に中で過ごしましょう。


第41号

『成長痛』の話
 4〜9歳ぐらいのこどもが、お布団に入ってまもなく、足が痛いと泣き出すことがあります。医者に相談しても、成長痛だから心配ないと言われ、放っておくうちに治っていくことがしばしばです。では、成長痛って何でしょうか。実は、成長期にさまざまな原因で起こる、足の痛みの総称で、決して足の骨や、筋肉が成長するために起こる痛みではありません。実際に成長が著明な乳児期や思春期にはこんな痛みはありません。
  もちろん足の痛みは全て心配ないというわけではありません。ペルテス病、オスグットシュラッター氏病といって、骨の病気もあります。骨肉腫や、骨髄炎といった病気の始まりであることもあります。頭から大丈夫とはいえません。しかしほとんどは、筋肉疲労による疲労痛か、軽い骨膜炎、筋炎などの炎症痛です。
またX脚、O脚、反張膝などが原因の膝関節の過伸展による痛み、小さな靴によるかかとの痛み、偏平足による足の痛み、重いふとんによることもあります。そのほとんどは、翌日には改善しているか、日常生活に支障をきたさない痛みです。何もせず様子を見ていても大丈夫です。
  しかし、次のような痛みがあれば、整形外科か小児科に相談したほうが良いでしょう。
1)歩行が困難な痛み。
2)起床直後や歩き始めに痛みが強く、なれると軽くなる痛み。
3)関節を中心とする痛み。
4)なでたり、冷やしたりしても眠れないほど強い痛み。
5)1週間以上続く痛み。


鼻のはたらきと鼻みず
【鼻の役目】
1.外から入った冷たい空気を鼻の中で温め、湿らせて、のどへ送り込みます。
2.大きなチリを鼻毛で防いで、空気をきれいにします。
  (空気の悪い所に住んでいる人ほど、鼻毛がよく伸びます?)
3.においの刺激を大脳の嗅覚中枢に伝えます。 


【鼻みずはどうして出るの?】

鼻みずが出るからといって、必ずしも病気ではありません。寒い時に鼻みずが出ることは、大人でも経験があります。鼻みずは鼻の中を通る空気の速さ、温度、湿度、空気に含まれるゴミなどの刺激によって出ます。
 ★熱や咳などなく、元気に遊んでいる時は様子をみても良いでしょう。
 ★鼻みずが止まらず、風邪のひき始めかな?と思ったら、暖かくして早く休みましょう。
 ★水鼻でなく、黄色っぽい鼻が出るときは、鼻の中にばい菌が増えてきた証拠です。早めに受診しましょう。


【鼻のかみ方を教えてあ� ��ましょう】
鼻みずをすってしまったり、鼻の中にためたままにしていると、鼻やのどの奥に炎症を起こし、中耳炎の原因にもなります。
上手に鼻をかむ習慣をつけましょう。
 1 口を閉じ、ティッシュを鼻にあてる。
 2 片方の小鼻を押さえる。
 3 他方から鼻みずを吹き出す。
 4 もう片方も同様に。

足にいい靴ってどんな靴?
〔乳児健診での質問より〕
●底は適当に厚く、前三分の一位の所で曲るもの
●靴の先は、横幅が広く丸みがあり、少しゆとりがあるもの
●かかとをしっかり支えられるもの(乳児はかかとが未完成で、左右にぐらつきます。)
●通気性があり、洗濯のできるもの
●しっかり固定できるもの(で きればマジックテープ、ひもは解けると危険)
(注)おさがりの靴は、前に使った子の足に馴染んでいるので歩きにくいものです。

こんなことありませんか?
靴づれやまめが出来ていませんか?
歩くことをいやがることがありませんか?
すぐに疲れて不機嫌になりませんか?

靴がブカブカだったり、小さすぎると、
足の発達を押さえたり、変形を起こしたり(外反母趾、爪の変形)、膝、腰の痛み、肩こりなども起こすと言われています。
小さい子の靴選びに、ひと工夫
「きつい、痛い、ブカブカ」など言えませんね。
紙の上に素足をのせて、鉛筆で足の形を写し切り抜きます。これを靴の中に入れて、足型の紙が折� �曲がらないでちゃんと収まると良いでしょう。


第42号

『子どもの神経症』 
 子どもは、思いのほかストレスに弱いものです。ストレスを解消できず、知らず知らずのうちに色々な症状となって現れてくることがあります。よく見る子どもたちの心因反応についてお話しましょう。

心因性頻尿
4〜6歳ぐらいの子に多く起こります。おしっこの量も多くないのに、何度もトイレに行きたがることがあります。今行ったばかりなのに、すぐにトイレへ行きたがります。もちろん、膀胱炎、糖尿病、尿崩症などの病気は否定しなくてはなりません。尿の検査をすればはっきりします。「またトイレ?」、「我慢しなさい。」といった余分な干渉は禁物です。本� �がトイレを意識しないように、環境を整えてあげればすぐ良くなります。ちょっとした緊張やトイレへの不安などが引き金になって起こるようです。

チック
3〜6歳の子どもが、何の意味もなく、まばたきをしたり、咳払いをしたり、頭を振ったり、口を動かしたりすることを繰り返すことがあります。本人は、わざとやっているのではありません。眠っている時には止まります。チックといいます。ほとんどが、一時的なくせのようなもので、しばらくすれば自然に治るのが普通です。不安や緊張などがきっかけになって起こります。「またやっている」、「やめなさい」といった注意は、かえって本人を緊張させ、症状を長引かせてしまいます。無視して様子を見て、あまり長引くような� �ば、医師と相談してください

お部屋の中を加湿しましょう
寒さが増し、インフルエンザも大流行です。暖房により、室内はいっそう乾燥します。

 Q. 乾燥するとなぜいけないのでしょうか?
 A.鼻や口の中の粘膜も乾燥して、粘液(免疫物質を含む)の働きが弱くなってしまいます。
 すると...かぜやインフルエンザのウィルスが入りやすくなります。
 加湿器でなくても、ぬれたタオルや洗濯物を室内にかけておくことで、乾燥が防げます。


uthyroidは何を意味する

【加湿器を使う場合の注意点】
 1 湿度が高くなりすぎると、窓や壁も湿ってしまい、カビの原因になります。
 2 水タンクだけでなく、加湿器内の水受け部分も2週間に1回は洗いましょう。
 3 室内の換気に心がけましょう。


**公費で受けられる健診をお忘れなく**
母子手帳の別冊にある健康診査券(俗にいう無料券)はご存知ですか?
3ヵ月から6ヵ月用と、9ヵ月から11ヵ月用として、2回公費(無料)で健診が受けられます。
また、1歳6ヵ月児健診、3歳児健診の内科健診も公費(無料)です。
千葉市では4ヵ月� ��診として、集団での健診が保健センターで行われますので、4ヵ月以外での健診に使われることをお勧めします。
1歳6ヵ月と3歳の健診は保健センターでの健診(市より、個別に連絡がきます)の後、健康診査券と保健センターでの健診の控えをお持ちください。

正確な身長、体重を計りませんか?
★つい同じ月齢のお子さんと比べてしまいませんか?
 ひとりひとり、発達が違います。その子なりの発達の状態を知りましょう。
★普段気になっている事はありませんか?
 ミルクのこと、離乳食のこと、歯のこと、寝てくれない、泣いてばかりいる、など心配なことは
 口に出して相談してみましょう。


第43号
指しゃぶり
指しゃぶりは、胎児の頃から始まっています。赤ちゃんには、母親の乳首を唇で探しておっぱいを吸うという、吸てつ反射があります。唇を刺激することは、赤ちゃんにとっては、心地よいことなのです。一歳ごろまでの指しゃぶりは全く心配ありません。断乳する頃から、唇の感触から手の感触へ意識が移っていくころ、自然にしなくなります。しかし、時には3歳ころまでは、何かつまらなかったり、心配だったりする時に指しゃぶりをすることがあります。ある意味では、こどもの成長の中で精神的に役立っているのかもしれません。自然にやめていきます。4歳を過ぎても、指しゃぶりをする時には、ちょっと不安なことや、情緒が不安定なことがあるのかもしれません。「手を洗わないと汚いよ。」「ばい菌がついているよ。」などと声をかけていくうちにやめていきます。それでも、続く場合には、小児科や小児精神科の先生に相談しましょう。

夜鳴き
1歳過ぎても、夜中に突然泣き出すことがあります。怖い夢を見て泣く場合「悪夢」とか「夢魔」といって、REM睡眠の時に起こるもので、全く心配ありません。しかし、深い睡眠中に突然起き上がって泣き叫んだり、おびえた顔をして走り回ったりする場合は、「夜驚」といって、度々起こる場合には、小児科医に相談しましょう。精神安定剤が効果があるといわれています。いずれも自然に治っていきますので、結局は心配ありません。ゆっくり見ていてあげてください。

むし歯とその予防
どうして、虫歯になるの?

むし歯菌(ミュータンス菌など)が、口の中にある糖質を食べます。
   ↓ 
むし歯菌はネバネバした物質(不溶性グルカン)を出し、歯の表面に歯垢(プラーク)を作ります。
   ↓

歯垢の中の酸が歯を溶かします。
ジュースやコーラそのものが歯を溶かすわけではありません。

むし歯の予防はどうするの?
  1 プラークコントロール
   歯ブラシ+デンタルフロスが良いようです。

   フッ素配合の歯磨きや洗口剤(リステリンなど)を毎日使うことで効果があります

   歯質強化のために、歯科医院などで、フッ素を塗ってもらうことも良いでしょう。
  2 糖質、特に砂糖の量と食べる回数に注意しましょう。
   シリトールやソルビトールなど(砂糖の代わりになるもの)の入った食品を選ぶことも砂糖の量を控える
   方法のひとつです。

妊娠中は赤ちゃんに栄養をとられて、むし歯になりやすい?
栄養をとられるからではありません。妊娠中はつわりなどで、口の中の清潔が保ちにくいため、むし歯になりやすいのです。

【子どもの歯磨き】
歯の生え始めから1歳半頃まで
  無理な歯磨きは必要ありません。お母さんの指にガーゼなどを巻き、お膝の上で、口にタッチしたり、
  歯や歯ぐきを軽くこすってあげましょう。
2歳頃まで
  だらだら食べにならないように注意しましょう。食事やおやつの後には、白湯やお茶などをませましょう。
乳歯は生えそろったら
  興味を持ったら、歯ブラシを持たせてみましょう。必ず、そばについて、仕上げ磨きしてあげましょう。
  子どもには歯磨き粉は使わなくても良いでしょう。歯磨き粉を使いたがった場合は、量を少なめにします。
  多いと泡だって歯磨きができなくなります。



第44号
『ゼイゼイ』する風邪 
小さなお子さんで、鼻水・咳が出たと思っていたら、急に胸がゼイゼイしたりヒューヒューしたりすることがあります。医者にかかると、風邪、気管支炎、喘息様気管支炎、はては喘息ぎみ、気管が弱いなどと言われたりしませんか。では、これは喘息なのでしょうか。喘息とは、ゼイゼイして呼吸が苦しくなる発作を繰り返す病気です。ですからちょっとゼイゼイしただけでは、喘息とは言わなくとも良いわけです。しかしこういった子どもの一部は将来喘息になってしまうこともわかっています。 
風邪のほとんどは、ウィルスでおこります。特に、ゼイゼイする風邪は、RSウィルス、ライノウィルス、インフルエンザ、パラインフルエンザ、アデノウィルスなどが知られています。その中で、RSウィルスは2歳ぐらいまでの小さな子どもがかかると、その半分は喘息になっていくといわれています。その詳しいメカニズムはまだわかっていません。喘息にならないようにする試みもいろいろ考えられていますが、今の所決め手はありません。
とにかく、風邪をひいて咳がひどく、ゼイゼイしたり、ヒューヒューしたら、早めに医者にかかりましょう。また、風邪が治った後も、咳がひどく、夜中に眠れないほどの咳があったり、咳き込むともどしてしまう時には、喘息へ移行しないように治療を続けてください。特に、お父さん、お母さん、あるいはご兄弟に喘息の方がいらっしゃる場合や、アレルギー体質のある方がいらしたら、要注意です。離乳食、幼児食
【肉料理】
離乳食も終わりに近づくと、食べられる食材も多くなり、大人と一緒の食事が楽しくなります。しかし、肉料理には苦労している方も多いのでは?
いつまでも口のなかにある。飲み込まずに出してしまう。肉が嫌い?食べず嫌い
<調理法・大きさ・形をかえてみませんか?>
 ・ひき肉料理→肉団子、ミートローフ
 ・薄切り肉→薄切り肉を重ねた豚カツ
チキンカツ
 ・煮込み料理→塊肉を煮込んだシチュー、ポトフ

<味付け・調理法にひと工夫を>

 肉は味が染み込まないと、味が無いと感じ、脂肪の少ない赤身肉はパサパサに感じます。
ひと手間はかかりますが・・
 味をつけた後、小麦粉や片栗粉で味を閉じ込めてから調理(焼く・揚げる)をしたり、たれ
やあん
 (片栗粉やくず粉など)をかけるとパサパサ感はなくなります。

噛むことが苦手な場合
少しずつ噛むトレーニングも必要です。

ひき肉や軟らかい肉ばかりでなく、おとなと一緒に同じものを食べることで、噛んで食べることが好きになることもあります。
焼き鳥や(串からはずして)手づかみで食べられるチキンなどはいかがでしょう。おとなの仲間入りをしたようで、うれしいかも!
第45号

『おたふくかぜ』の話
 おたふくかぜが、流行しています。おたふくかぜは、流行性耳下腺炎(ムンプス)という病気です。唾を作る唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下腺)に炎症が起こりはれるために、顔がおたふくのようになるため、おたふくかぜとよばれています。ムンプスウィルスに感染して起こる病気です。ウィルスは患者の唾液に出て感染していきます。約3週間の潜伏期間の後に、発熱と同時に、耳下腺、顎下腺がはれて痛みが出ます。たいてい左右ともはれますが、片側だけのこともあります。熱は3日間程度で下がります。耳下腺のはれは、10日前後でなくなり、治ります。この間は、幼稚園や学校はお休みしなければなりません。出席停止扱いとなる病気です。 しかし、おたふくかぜは、耳下腺だけの病気ではありません。ウィルスは血液を通して全身に感染し、中でも無菌性髄膜炎が200人に1人の割合で起こります。髄膜脳炎、難聴(2万人に1人)、睾丸炎、卵巣炎、乳腺炎、甲状腺炎、膵炎、心筋炎などを合併することもあります。逆に、耳下腺炎を起こさない場合や、症状が出ない、不顕性感染もあります。妊娠初期に妊婦が感染すると流産の原因となることもあります。
 特別な治療法は無く、対症療法のみで、自然に治るのを待ちます。ほとんどの場合は、後遺症も無く治りますが、難聴は治りにくく後遺症となる場合があります。現在のところ予防は、ワクチン接種だけです。任意接種ですが、1歳以降であれば成人まで、接種することが可能です。決して罹ったほうが良い病気ではありません。ワクチン接種をお勧めします。


日本脳炎予防接種について
5月30日に突然、厚生労働省から勧告が出されました。内容は、「今行っている日本脳炎のワクチンで、重篤な副作用が出たために、今まで定期予防接種で接種しなさいと言っていたところをやめて、保護者が副作用のあることを知った上で、接種を希望された場合だけ接種しましょう。」というものです。
 今使用しているワクチンは、日本脳炎ウィルスをマウスの脳細胞を使って増やし、それからウィルスを集めて、不活化したものを接種しています。つまり、日本脳炎ウィルスとしての病原性はなくなっていますが 、マウスの脳の一部が混入しています。これがくせ者で、人に接種した場合、100万に1人くらいの割合で、ADEM(急性散在性脳脊髄炎)という病気が起こってしまいました。
 日本脳炎は、日本を含め、中国南部や東南アジアでも患者がでています。豚に感染し、その豚をさしたコガタアカイエカという蚊が、人をさすとうつってしまいます。治療方法はまだ見つかっておららず、たいていは風邪程度の症状で治ってしまいますが、小児や、高齢者では、脳炎を起こし、死亡したり、重い後遺症を残します。予防は、流行地へ行かなようにするか、蚊にさされないようにするか、予防接種を受けるしかありません。
 急きょ、マウスの脳を使わない、副作用の少ないワクチンを作っているとのことです。� �までうったことがある方は、そのワクチンができるまで、待っていても大丈夫でしょう。まだうったことがない方は、医師と相談の上、今のワクチンをうつか、安全なワクチンが出るまで、流行地へ行くことを避けましょう。


第46号

「予防接種が変わっています。 その二」

 今年の四月から麻疹・風疹の二種混合ワクチン(MRワクチン)が始まります。同時にMRワクチンを、二回接種することになりました。つまり、今年の四月から、今までの麻疹と風疹の単独の予防接種がなくなり、その代わりに一歳になったら、まずMRワクチンを接種し、その児たちが五歳になったら、小学校に入る前までにもう一度MRワクチンを接種することになりました。ただし、注意しなければならないことがあります。
@平成十八年三月三十一日までに二歳になってしまう� �たちは、MRワクチンは接種できません。今までどおりの麻疹と風疹の単独ワクチンをそれぞれ一回ずつ三月三十一日までに接種しなければなりません。

A平成十八年三月三十一日までに、麻疹または風疹の単独ワクチンを接種した人は、MRワクチンはうてません。

B接種する前までに麻疹や風疹にかかってしまった人たちもMRワクチンが接種できなくなります。

いずれにしても、麻疹を予防するためには、一歳になったら出来るだけ早く、予防接種をうつことが必要です。詳しくは、当院院長、または保健所にお尋ねください。

タミフルについて

 インフルエンザの薬として、タミフルが使われています。ところが、タミフルを飲んでいる小児の死亡例が新聞に報道されました。マンションの窓から飛び降りた中学生、突然道路に飛び出してトラックにひかれた高校生の例が報告されています。日本小児科学会も、厚生労働省も、現在のところ、タミフルとの因果関係はないという見解を発表しています。インフルエンザによる症状のひとつという可能性が強く疑われています。
 当院では、インフルエンザと診断された小児で、特に重症化しやすい場合や、具合の悪い場合に、タミフルを処方します。しかし、マウスの生まれたばか� �の子どもを使った実験で、大量のタミフルを投与した場合に、毒性が認められました。このことをふまえて、一歳未満の乳児には、慎重に投与するよう勧告が出ています。現時点では、一歳未満のこどもがインフルエンザにかかった場合には、よほど具合が悪くない限り、タミフルは使わずに経過を見ることにするつもりです。


第47号

緊急麻疹流行情報

5月以降千葉市内の高校、小学校、保育所・園で、麻疹が流行しています。今回の患者さんの特徴は、高校生・中学生・小学生の患者さんが多いことです。さらにその半数以上は、麻疹のワクチンをうっていた方でした。「ワクチンは効かないの?」そんな疑問がわいてきます。実は、以前よりこのことは心配されてきていました。1歳でうったワクチンも十年もたつと効果が薄れてきます。以前のように麻疹の流行が繰り返されていれば、何回か麻疹ウィルスに接触し、その都度免疫も強化されて、ワクチンの効果が持続します。ところが、最近のように麻疹の流行が少なくなると、ワクチンをうった後、ずっと麻疹に接触せずに過� ��してしまうために、十年もすると免疫が弱くなってしまいます。
 今年の4月からMR(麻疹、風疹2種混合)ワクチンを1歳と5歳の2回接種することになりました。
これで、免疫も強化され、今回のように大学生や高校生の麻疹の流行はなくなることが期待されます。
しかし、当分の間、今回のような麻疹の流行が繰り返される可能性もあります。では、どのような対策をとればよいでしょうか。
 まず第1に、1歳の誕生日を過ぎた方、予防接種をうったことのない方は、
出来る限り早くMRワクチンか、麻疹ワクチンをうちましょう。また、今まで麻疹の予防接種をうった小学生以上は、血液の検査で抗体を調べるか、またはもう一度麻疹またはMRワクチンをうちましょう。( ただし任意接種で有料です)詳しくは、当院にお尋ねください。 麻疹は怖い病気です。

睡眠と健康

最近の調査によると、日本では3歳児の半数以上が夜十時を過ぎても起きていました。日本のこどもたちは外国の子どもに比べて夜更かしで、睡眠時間も最も短いようです。では、夜更かしは何故いけないのでしょうか。
 ●睡眠不足になる
 ●心身の成長を妨げる
 ●慢性的な時差ボケ状態を招く
 ●イライラして、感情のコントロールが難しくなる
 ●食習慣の不健全化
 ●メラトニンの分泌が減少し、老化が促進され、ガン化が促進される。

これに伴って、こどもたちの健康にも変調をきたしています。
 ●低体温
 ●便秘
 ●肥満
 ●イライラして、機嫌が悪い。
 ●頭痛、腹痛など起こしやすい。

思いあたる症状があれば、一度お子さんの睡眠時間を見直してみてくださ。もちろん睡眠時間には個人差があり、必ず何時間以上寝なければいけないということはありませんが、せめて幼児では十時間以上の睡眠時間を取ることと、早起きを進めることが重要です。また、寝かしつけることもしつけのひとつです。夜遅くなってからコンビニエンスストア、ゲームセンター、レンタルビデオ屋などで乳幼児をみかけることがありますが、子どもの健康を考えるとおかしなことですね。

寝かせるためのポイントは

 ●早起きの習慣
 ●昼間の活動

 ●昼寝は3時半ごろまでに
 ●ぬるめのお風呂
 ●入眠のための儀式
 ●部屋を暗くして、テレビを消す


第48号 メディア漬けが子どもをむしばむ

 最近、子どもたちのからだのことで気になることがあります。保育所の保育士さんからは、子どもたちが「すぐに疲れたという」、「床にすぐ寝転ぶ」、「背中ぐにゃ」、「つまずいてよく転ぶ」、「転んでも手がでない」、「からだが硬い」という話をよく聞きます。小学校の先生からは「朝からあくびをする」、「ボールをつけない」、「キャッチボールをしてもボールが眼に当たる」、「平熱が35℃台」、「頭痛、腹痛など不定愁訴が多い」、「視力が悪い」、「転んだり、ぶつかると顔をけがする」、さらに、「いつもイライラしている」、「授業に集中できない」、「すぐにキレル」これらはたまたま今の子どもたちの中から拾い集めてきた問題でしょうか。
 ここには、現代の日常生活の中に潜んだ問題が、子どもたちのからだをむしばんでいる可能性が指摘されてきています。乳幼児期からのメディア(テレビ、ビデオ、パソコン、テレビゲーム、携帯電話)との接触の増大、子どもの遊び場の減少と外遊びの減少、慢性的な睡眠不足などに関係があるといわれています。その中から、子どもとメディアとのつきき合い方について考えて見ましょう。
 子どもたちがメディアと小さい頃から長時間接触していると何が問題なのでしょうか。
 ずっと同じ距離にある画面を見ているだけで、視力も育たず、距離感をつかめなくなります。
 言葉を交わすことがなく、他の人と声を出してコミュニケーションすることができません。
 からだを動かすことがないため、足が育たず、背骨を支える背筋や腹筋も発達しません。
手で触ったり、においをかいだり、味を見たりすることがなく、人間らしい豊かな感覚が育ちません。
 気温の変化が乏しい環境で過ごすため、自律神経の発達が妨げられます。
  こういったことを考えると、「からだが育たない」ということがお分かりになると思います。逆に、友達と自然の中で四季の風を感じて、走り回ったり、砂や泥遊びをしたり、キャッチボールをすることでからだは育っていくと思いませんか。
 また脳科学の研究で、電子映像との接触は、感情や欲望をコントロールしたり、人間らしい心の働きや高度の思考をつかさどる脳の中の前頭部の働きを低下させることも明らかになってきています。
 メディアの進歩は、私たちの生活を豊かにし、便利にしていることも確かです。子どもたちと、もっとメディアをうまくつき合わせませんか。私たち小児科医のちょっとした提案を見てください。

2歳までのテレビ、ビデオは控えましょう。
 
★授乳中、食事中のテレビ、ビデオはやめましょう。
 
テレビゲームは一日三十分、テレビは2時間以内にしましょう。
 ★子ども部屋にはテレビ、ビデオ、コンピュータは置かないようにしましょう。
 ★保護者と子どもでメディアをうまく利用するルールを作りましょう。



第49号

咽頭結膜熱(プール熱)
 アデノウイルスが原因で、5〜7日の潜伏期後、39℃前後の発熱、のどの痛み、頭痛ではじまります。目が赤く充血したり、嘔吐や下痢を伴ったりすることもあります。3から5日で熱が下がりますが、その後2日たってから登所、登園、登校が出来るようになります。患者のつばや鼻水などでうつります。便の中にもウィルスが排泄されます。タオルの共用などによる接触感染や、プールでの集団感染がみられ、プール熱とも呼ばれます。もちろんプール以外の場所でもうつります。
 千葉市では2002年から年を追うごとに報告数が増加する傾向にあり、また今年は全国的にも例年になく大きな流行が早い時期からが始まっています。これからプールの季節になり、流行が広がる恐れがあります。予防のため 次のことに注意しましょう

●タオルなどの共用を避ける。
●流水や石けんによる手洗い、うがいの励行。
●プール利用後、必ずシャワーを使用し、特に洗眼やうがいをすること。
●排泄後の手洗いの励行と、おむつ交換などは手袋を使用するとともに、後の手洗いが大切。
●感染者との接触はできるだけ避ける。

 ウィルスによる病気ですから、抗生物質は効果がありません。治療は、熱や痛みを楽にする程度で、安静と栄養が最も重要です。水分を十分に取って脱水症状にも気をつけます。学校保健法の指定感染症ですので、登園・登校については医師の診断が必要です。

スリング
  ベビー用コンパクト抱っこひも
小さく折りたため、手軽に洗濯ができるなど利便性が良い抱っこひも、育児雑誌などでも人気商品として取り上げられていますが、使用にはちょっと注意が必要です。

<ポイント1> 
  赤ちゃんの足をしっかり開いてお母さんの体にまたがせます。

<ポイント2> 
  赤ちゃんのひざがお尻より上になるように位置を決めます。

<ポイント3> 
  赤ちゃんは不意に動きます。必ず片手を添えてください。

ポーチの中にすっぽり赤ちゃんが治まってしまうので首が据わっていない赤ちゃんに使っている姿を見かけます。その場合は、赤ちゃんの足を必ず「 М 」の形にして抱っこしましょう。股関節脱臼の予防になります。
☆抱っこには、腕を回して首を必ず保護してください。

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